Specteeは、なぜファクトチェックに投資をするのか?
報道機関向けに事件・事故・災害などの情報をリアルタイムに配信する『Spectee』は、現在多くの報道機関で使用されているサービスである。
同種のサービスの多くが「自動」を謳っている中、SpecteeはAIと人のハイブリッドで、24時間体制の運営をしている。
Specteeは「ツール」ではなく「サービス」
「私たちは、自動化した「システム」や「ツール」を提供しているのではなく、報道を支援するための「サービス」を提供しているのだ」と、私は社員へはいつも口酸っぱく言っている。報道現場が今どんな問題を抱えていて、それをどうやって解決するのか、報道現場のゴールは何か、そのゴールにどうすれば到達できるか。そういったことを常に考え、単なる便利な「ツール」ではなく、報道現場と一緒に目的(ゴール)を目指すための「サービス」を提供していると思っている。
Specteeのファクトチェック
Specteeは、AIでリアルタイムに素早く情報を提供する一方で常に人の目を通している。NHKや共同通信社などで記者経験のある人を中心に採用し、所謂「記者の目」を通して事実確認(ファクトチェック)を行っている。当然、システムとしても機械学習を重ねて、膨大なSNSの情報からフィルタをかけより正確な情報を抽出する仕組みなっているが、それでも必ず人によるファクトチェックを並行して行っている。
何をやっているか?
上がってくる情報はSpecteeの報道機関向けのWEBシステムにリアルタイムに掲載される。それと同時に弊社で「アンカー」と呼んでいるファクトチェックを行う人が、その情報は事実か、解析した発生場所や発生時刻は正しいかなど、時には投稿者に直接確認したり、役所や施設に電話したり、様々な情報を参照しながら事実確認を行っている。
なぜ、ファクトチェックに投資するのか
Specteeの競合となるツールがいくつか存在するが、その多くが人を介さない自動システムである。一方で、Specteeではファクトチェックをする「人」の採用や教育にかなりの投資をしている。社内では定期的にファクトチェックの勉強会も実施している。
「ライオンが逃げた」・・・熊本地震の際に出回った「デマ」である。もし、Specteeがお客様である報道機関へそのようなデマ投稿(フェイクニュース)を配信してしまったら、報道機関はその事実確認に相当な時間を費やすことになってしまう。せっかく自動化したのに、その事実確認に無駄な労力をかけしまってはSpecteeを導入した意味がない。
情報配信者としての責任
先に述べた通り、私たちは報道機関と一緒に同じゴールを目指す「サービス」を提供している。私たちは、私たちが配信した情報に責任を持たないといけないと思っている。もし情報に間違えがあったら、その間違いを訂正しお詫びしないといけない。それは当たり前のことだと思う。「AIが自動でやっているから間違っても許してね」というわけにはいかない。私たちが責任を持ってファクトチェックしていますから、安心して使ってください。それをコミットしてこそ、他とは違う「サービス」なのだと思っている。
幸い、お客様からはSpecteeからの情報はどこよりも正確という評価を得ている。速報性を担保しながら、正確な情報を提供する。このことに今後もチーム全体で責任感を持ちながら開発・運用を進めていく。
インターネットの時代になり、報道機関のビジネスモデルは大きく変わろうとしている。特にテレビや新聞といった報道機関にとってはとても厳しい状況になっている。そんな報道機関の課題の一つとして、如何に労働集約的な作業・スタイルから脱却して、省力かし効率化してやっていけるかというのがある。私たちは、そんな報道機関と共にこれからも報道を支援する「サービス」の開発に全力で取り組んでいく。